地震「予知から予測」への試み 東大研11月から実験
1年以内に○×県西部で大きな地震が起きる確率は△パーセント――。細かい地域ごとに、短期間の地震発生確率を示す検証実験が東京大学地震研究所を中心に11月から始まる。地震の直前予知が難しいなか、将来的には天気予報の降水確率のような「地震予報」の実現をめざしている。
http://www.asahi.com/science/update/1020/TKY200910190461.html
検証実験では、関東地方を約6キロ四方、他の地域を約11キロ四方の地域に区切り、3年、1年、3カ月、1日以内に地震が起きる確率を算出する。期間により、マグニチュード4または5以上の地震を予測対象とする。
発生確率は、過去の地震の発生パターンから傾向を探る統計学的な手法を用いたり、地震の観測データなどからリアルタイムで大地震が起きる確率を計算したりする。
こうした手法で、これまで08年の茨城県沖や岩手県釜石沖の地震では、防災科学技術研究所や東北大の予測が「的中」した実績がある。
今回は、防災科研、米南カリフォルニア大など国内外の約10の研究者やチームが開発した58の算出方式を地震研のコンピューターで実行して、算出された確率と、今後3年間で実際に起きた地震を比べ「的中率」を検証する。
また、すでに米カリフォルニア州などで行われている国際研究に日本も参加し、条件が異なる場合の予測結果の違いも調べる。
現在、地震の発生確率の予測は、政府の地震調査研究推進本部が公開しているが、主に30年以内の長期的な発生確率で示しており、実感がわきにくい。短期間になれば防災対策にさらに役立つと期待される。保険料率算定などにも影響しそうだが、一般に公開できる時期は未定だ。
地震研の平田直教授は「プレート境界型地震の仕組みが過去10年間ではっきりとわかってきた。最新の知見を『予測』に生かす土台を築き、天気予報のような『地震予報』の実現につなげたい」と話している。(松尾一郎)