地殻変動:噴火予知連、富士山で最大2センチ観測--96年来初
火山噴火予知連絡会(会長、藤井敏嗣・東京大地震研究所教授)は5日、全地球測位システム(GPS)を使った富士山の観測で、96年4月の観測開始以来、初めて地殻変動を確認したと発表した。変化は最大2センチで、山頂のほぼ真下の深さ約14・6キロに球状のマグマだまりがあると推測されるという。同連絡会は、今すぐ噴火に結びつくものではないとしている。
http://mainichi.jp/select/science/news/20091006ddm012040031000c.html
同連絡会によると、富士山周辺には10個の基準点があり、そのうちの「富士吉田-富士宮2」の距離(約35キロ)が、昨年夏から現在にかけて、約2センチ伸びた。また、「御殿場-富士」(約20キロ)でも約1センチ伸びた。
近くの箱根山(神奈川、静岡県)でも小規模な地震活動が続いたことを考慮したうえ、変動の原因について圧力源を調べる計算式で推測。その結果、富士山山頂のほぼ真下の約14・6キロの地下深くに、約1000万立方メートルの球状のマグマだまりがあり、この影響で膨張したと推測した。
富士山での地殻変動は、00~01年に観測された深部低周波地震の際には観測はされなかった。
また、気象庁によると地震計などの観測データは通常の範囲内で、噴火に関係する兆候はないという。
藤井会長は「富士山の真下で、マグマが蓄積し、圧力が高まっていることの表れ。富士山が活火山ということがあらためて認識できた。(マグマだまりは)通常の活火山でよくみられる現象で、今回は地下深くにあり、すぐに噴火するということには結びつかない。きちんと観測を続けていきたい」と話した。【石塚孝志】