大地震の前兆をとらえた!
中国四川省で発生した大地震では児童生徒をはじめ5万人以上の死者がでた。この地震のニュースが報道される数日前に琉球大の木村政昭名誉教授から本書をいただいた。台風もそうだが地震などでは早期の予知や予測が被害を最小限に食い止める最良の方法であることはいうまでもない。木村先生はこれまでも国内で発生した多くの地震を分析し発生空白域から地震発生の予知を提起、各地で発生した大地震や噴火を予測された。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-132475-storytopic-6.html
本書は、書名の「大地震の前兆をとらえた!警戒すべき地域はどこか」でわかるように、先生がこれまでに蓄積されたデータを総合し『地震の目』=サイスミックアイと名づけて発生しそうな地域を予測している。目が発生するとその付近で大地震が起きる可能性が高く、その場所の推定が可能になっている。また地震の目が発生してから本震までの期間を約30年と推定している。さらに噴火と地震の時空の相関関係やその地震の目の大きさと本震の大きさの関係性などの「木村メソッド(理論)」が詳しく解説されている。
ちなみに本書冒頭には日本国内と東アジア地域の大地震予知マップが添付されてるが、南西諸島地域のほうが日本列島全体の地震の目の分布より数が多いことに驚く。
従来、沖縄は地震が少ない地域と見られてきたが、ここ数年の各地の地震が示すように日本列島の地震の目はすでに国内各地に地震を発生させ、沖縄地域が空白でむしろこれから発生が十分にありうると理解できる。地震の発生のメカニズムとあわせて、南西諸島のどこに「目」があるのかは、読者の一読にゆだねよう。
四川省地震では多くの死傷者が出たが、中国やスマトラ沖で発生した地震の発生への考究もある。
木村先生が沖縄本島西の東シナ海海底の沖縄トラフで熱水鉱床を発見し、海底から噴出する熱水のまわりに盲目のエビやカニが生息していた映像に多くの県民が尖閣諸島沖の海底に眠る石油ガス田の存在を再認識したことは記憶に新しい。また与那国島沖の海底遺跡の指摘など沖縄の地質構造や未知の海底の真実などを報告されてきた氏の原点でもある地震研究の最新の研究報告だ。
(玉城朋彦・早稲田大学メディア文化研究所研究員)