石油コンビナート 津波で2カ所被災の恐れ 消防庁
総務省消防庁が、石油コンビナートの津波被害を予測する算定式を確立し、国内五カ所に適用したところ、海溝型地震発生の際、東海地方と北海道の二カ所で、浸水でタンクが浮き上がったり位置がずれたりして、油の流出や火災を引き起こす可能性があることが五日までに分かった。今後、さらに幅広い被害想定の数式化も進め、各自治体の被害予測に役立ててもらうとともに、必要な防災対策の立案につなげる。(森本尚樹)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000791645.shtml
同庁の「危険物施設に係る津波・浸水対策検討会」(委員長=亀井浅道・横浜国立大教授)が、実験で得た波力などのデータなどを基に、津波の規模とタンクや周囲の防油堤の被害との関係の算定式を確立した。
その上で、(1)関西地方の人工島(2)東海地方の外洋直面部(3)東海地方の湾奥部(4)東海地方の半島裏側(5)北海道の防波堤背後-のコンビナート五カ所を選び、想定される海溝型地震での津波の高さや浸水深度などを解析。算定式を適用して被害を算出した。その結果、(2)と(5)の二カ所でタンクの被災が予測された。
(2)のケースでは、東海・東南海・南海同時地震による最大五・五メートルの津波で、防油堤が機能しない場合に約一・七メートルの浸水を許し、タンクの貯蔵率が9・6%以下で滑動、7・3%以下で浮き上がり、5%以下で座屈が予測された。
(5)のケースでは、北海道東部の太平洋で繰り返し起こっているとされる「五百年間隔地震」による三・四メートルの津波で、約一・四メートルの浸水を許し、貯蔵率5・5%以下で滑動、3・8%以下で浮き上がりが予測された。
関西などその他の三カ所は、五十センチ以下の浸水にとどまり、被害は予測されなかった。(1)の「関西地方の人工島」は近畿南部。東南海・南海地震を想定した場合、震源域に直面する(1)に対し、内海の兵庫県内のコンビナートは浸水が予測されていないため、今回の算出の対象から外れた。
コンビナートの津波被害については、一九六四年の新潟地震で、被災したタンクから流出したガソリンが津波で市街地に流入、延焼したほか、二〇〇四年末のスマトラ沖地震津波でもタンクが漂流したり、破壊されたりした例が知られている。