地震”天気図“で予測 大防災研、観測システム開発進む
京都大防災研究所(京都府宇治市)が中心となり、内陸地震を起こす地殻内部の断層の構造やそれにかかる力(応力)の解明などに向けて、次世代型地震観測システムの開発を進めている。「地震活動期」を迎えた近畿にシステムを設置し、応力の蓄積や変化を図で示して地震の危険度を伝える世界でも例のない「地殻応力天気図」の実現を目指す。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008022100030&genre=G1&area=K10
商用電源のない山間部などでも長期間の観測が可能な小型高感度地震計と、記録装置(現地収録方式)を計器会社と共同開発。従来の10倍以上の数の地震計を観測エリアに設置することで、現状の地震観測網では正確に分からなかった断層の構造や地殻内部の応力を解明する。観測点を万単位にする目標から「満点(万点)計画」と名付けた。
電池で半年間稼働でき、雪に閉ざされる冬季も観測を継続できる。地震活動の静穏化と内陸地震との関連が注目されている丹波山地と周辺の近畿中部で、現在、京大と防災科学技術研究所、気象庁が設置している50点程度の観測点を、500点以上に増やす計画だ。
より精密な観測によって、断層深部の構造や破壊が始まる場所の推定、断層にかかる応力の蓄積や変化が分かる。地殻の応力を図示する「天気図」ができれば、天気予報のように中長期の発生予測や被害想定に役立てることが期待できる。
大地震に先立って断層のすべりがあれば、断層周辺の応力が特徴的に変わる。阪神淡路大震災(1995年)の数年前にも明石海峡でその可能性がある応力変化が認められていた。「天気図」で大地震の危険な兆候を事前に見つけることができるかもしれないという。
計画を進める飯尾能久京大防災研地震予知研究センター教授は「身体の中の異常を見つけるCT(コンピューター断層撮影)のように、地殻の異常を探り当てたい」と話し、実現に向けて各方面に働き掛ける。