温泉転じて地震予知に 掘削井戸に計測機器へ設置へ 熊谷
立正大学(高村弘毅学長)は、熊谷市万吉の熊谷キャンパスで温泉開発のために掘削した井戸を活用して、地下水の調査を始める。データを長期間蓄積することで地震予知などの研究にも活用できるという。温泉開発は湧出量が少なく断念せざるを得なかったが、その井戸を新たな研究に生かしていく考えだ。
http://www.saitama-np.co.jp/news04/21/05l.html
同大学は、温泉療法などを学ぶ新学部の設置や隣接する特別養護老人ホームへの温泉供給などを目指して、二〇〇六年七月から温泉掘削を開始。約六千六百万円かけて千五百メートルの井戸を掘ったが、温泉は十分に湧き出なかった。昨年五月で開発を打ち切った。
多額の掘削費をかけたこともあって、井戸の有効活用策を検討。北関東には地下水調査用の千五百メートル級の井戸がないことから、地下水の研究に使うことになった。近く地球環境科学部の教員らで委員会を設置。関連する研究機関の協力を得ながら、夏をめどに計測機器を設置する予定。
調査を予定しているのは、地下水の水位や水質を測る電気伝導度など。地震が近づくと地盤が圧迫され、水位が上がったり、水質が変化することが考えられている。長期間蓄積したデータを比較することで地震予知にもつながるという。データは公開し、広く研究者に活用してもらう考え。
「データはすぐに地震予知に使えるとかいうものでない。私たちが退職したあとの話になるかも」と地球環境科学部の田村俊和教授。「データを蓄積することに意味がある。それが将来への財産になる」と話している。