【科学】北海道・有珠山噴火から8年 「予知火山」の象徴
地震や地盤隆起…必ず起こる前兆
北海道・有珠山の平成12年の噴火から、きょうで8年。直前予知の成功で住民全員が避難し、1人の犠牲者も出なかった23年ぶりの噴火は、「減災」のモデルケースとなった。地球環境が主要テーマの北海道洞爺湖サミットの開催を控える地元で当時を振り返り、火山との付き合い方を探った。(長内洋介)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/080331/dst0803310822001-n1.htm
■「うそをつかない山」
洞爺湖温泉街を間近に見下ろす有珠山。12年の噴火では西側山腹に新たな火口が65個も出現し、激しく噴煙を上げた。山麓(ろく)に大量の噴石が落下、街は泥流に覆われた。最初に噴火した西山火口からは、今も白い噴気が立ちのぼる。
「うそをつかない山」
地元で約20年間、観測を続けた岡田弘(ひろむ)北海道大名誉教授は、有珠山をこう呼ぶ。「オオカミ少年のほかの火山と違って、地震が起きると必ず噴火する」からだ。
12年の噴火も明確な前兆があった。3月27日、小さな地震が急に増え出し、翌28日には体に感じる地震も始まった。マグマ活動の活発化を意味する火山性地震だった。
岡田氏は直ちに気象庁や消防、行政機関に連絡を入れ、噴火が迫っていると通告。これを受け気象庁は、警戒を促す臨時火山情報の発表に踏み切った。住民の一部は自主的に避難を開始。29日夕、洞爺湖温泉地区に避難指示が出ると、5時間半後には約2400人の住民全員が避難を完了した。31日に噴火が始まったとき、街はすでに無人の状態。防災情報と住民行動の見事な連携だった。