直下型の巨大地震、急成長で耐震構造追いつかず
中国四川省で発生した地震で、家屋、ビルが倒壊し多数の犠牲者がでたのは、想定を上回る巨大な直下型地震だったことに加え、最近、地方都市も発展する中国急成長の陰で、十分な地震対策がとられていなかったことが背景にあると専門家は分析する。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080513-OYT1T00392.htm?from=navr
東京大学地震研究所の壁谷沢寿海(かべやさわとしみ)教授(耐震工学)は、倒壊した鉄筋コンクリートのビルの映像を見て「柱とはりの接合が弱く、揺れによって外れやすい構造をしていたためだろう。壁もコンクリートブロックやレンガを積み重ねた作りで、もろい」と語る。
中国各地で地震対策の調査を行った神戸大の大西一嘉(かずよし)・准教授(都市防災)は「中国の農村部はレンガなどを積んだ、手作りの家屋が多く、強い揺れによって壁全体が倒壊した可能性がある。一般家庭も日本の震度で4~5弱の地震に耐えることを求められているが、十分ではない」と指摘する。
中国出身の小鹿健平・アジア防災センター主任研究員によると、中国では1976年に約24万人の死者が出た唐山地震(河北省、M7・8)の発生を機に、国家地震局が、建築物の耐震基準を設けた。多発する地震の教訓を受け、地域ごとに最大級地震を予測し、コンクリート、木造など構造別に基準を定めた。
しかし、土木学会前会長で、成都の大学とも交流がある浜田政則早稲田大教授は「急速な地方の発展の陰で耐震性がなおざりにされた可能性がある。チェック体制も不十分」と分析する。
(2008年5月13日14時16分 読売新聞)