地震リスクで投資減退も 中国GDP0・2ポイント押し下げ予測
■食糧価格上昇の恐れ
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200805160055a.nwc
四川大地震による中国経済への影響が懸念され始めている。中国証券報など現地メディアによると、中信証券では大地震の影響で中国の2008年の国内総生産(GDP)が0・2ポイント程度押し下げられる可能性があると分析した。さらに中国全土の消費額は0・6%下がると予測した。四川省は養豚業が盛んで、価格高騰が目立つ豚肉の出荷量が半減するおそれがあり、豚肉価格が現在より6%値上がりするとも指摘した。
地震による企業活動の影響が長期化すれば、生産拠点として中国に進出してきた日本企業など外資系企業も「地震リスク」を再認識し、投資意欲の減退につながる懸念もある。国際商品市況への影響として、被災地への食糧供給や石油・天然ガスの供給停止長期化などを材料に、コメや小麦といった穀物、原油などのエネルギー相場が高騰する要因にもなると分析した。
被害を受けた四川省や重慶市の地域は人口1億人以上。「西の玄関口」として中国西部経済を牽引(けんいん)する土地柄だ。沿岸部と内陸部の経済格差を縮める「西部大開発」の拠点でもある。
外資系企業の投資意欲がそがれるとの見解も出ている。進出外資の中には「これまで中国で大地震が起きると想定しておらず自然災害のリスクを認識した」として、人件費上昇などと合わせ中国進出への流れが大地震を機に変わる可能性があると話す企業もある。
ただ、新光証券の小原篤次グローバルストラテジストは、「現段階で集まった情報を分析するとマクロ経済的には地震の影響はさほど大きくない」とみる。震源地近くは果物や茶などの農業や観光が中心。日本貿易振興機構(ジェトロ)上海センターでは、「中国経済全体への影響があるような地域ではない」として中国経済を揺るがす事態にはならない、とみている。(西川博明)